アホ毛シナリオ担当きくちです。
◯前回までのあらすじ
セール期間を逃し、
標準価格で渡し手形を購入した
アホ毛シナリオ担当きくちは
第二道の中ボスまでたどり着く。
“「殺ったる!」「うわ〜」……っと。”
“こら、お前はいったい何を落描きしておるのだ。”
“アホ毛の神さま、人のノートを勝手に見ないでくださいよ。
ちょっと第二道の中ボスで詰まってしまって、
腹いせに落描きしてうさばらししてたところなんですから。”
“またつまらぬことをやりおってからに……。
ちょっとアドバイスをくれてやるから、
そのタブレットを貸すがいよい。
さて、ちょちょちょいのちょいと……。
ここからやってみるのじゃ!”
“これは第二道のボス「あほげ・ぐりーん」じゃないですか。
中ボスも倒せないのに、いきなりステージボスと戦うなんて無茶ですよ!”
“修行中の質問は一切受け付けぬ!”
やれやれ、理不尽な……。やってみるけど……やってみるけど結果は……。
これまでか…
“このアホ毛めが! 誰が休んでよいと言ったのじゃ。
何度でもやり直すがよい、「あほげ・ぐりーん」戦を!”
“そんな殺生な〜!”
はぁ、はぁ……。果たして私はいくたび
「あほげ・ぐりーん」と戦ったのであろうか。
その激しい戦いのため、私の目はかすみ、指の爪は割れ、
破れた指の皮膚から流れた血によって、
タブレットをなぞる指がすべってしまうほどに。
“神さま、大げさなナレーションは止めてくださいよ。”
“ちょっしたお茶目さんじゃ。スルーせい。
それよりも若きアホ毛よ、じっくりボスと戦ったすえに何を得た?”
“えっと、ボスにはザコと違って特別に強力な
攻撃方法があることを見抜きました。”
“うむ、グッドじゃ。だから、ボス戦で通常の敵と同じような
戦い方をすると、おおむね負けてしまうことになるのじゃ。
……では、修業の成果を確かめるため、
再び第一道のボス「あほげ・ぶるー」と戦ってみるがよい!”
“はい!”
結果はノーダメージでの圧勝であった。
(つづく)